DAIV A5は初心者から上級者までおすすめ?クリエイティブ作業も快適だが気になるポイントも…

DAIVからRyzen CPUを採用したAシリーズ(A5/A7/A9)が登場しました。この記事では、エントリークラスの「DAIV A5」をご紹介します。
DAIV Aシリーズの中では、もっとも安価なモデルでありながらRyzen 7 3700Xを搭載!グラボもGTX1650 SUPERなので、RAW現像や動画編集といったクリエイティブ用途から、ゲームまでこなせる万能機となっています。
税別11万円台という価格からは想像できないようなパフォーマンスで、コスパ破壊もいいところ・・・とは言え、気になるポイントも見つけましたので記事にしてみました。それではどうぞ!
※同社別モデルで測定したスコアを掲載しております。
目次
DAIV A5の特徴とスペック
マウスコンピューターが展開するクリエイターモデルが「DAIV」です。
負荷のかかる作業にも耐えられるパフォーマンスがあることを前提に作られています。また利便性やメンテナンス性、冷却性能という面でもテストを重ねているそうです。一言で行ってしまえば「安心して使えるパソコン」ということですね。
DAIV A5の特徴をまとめるとこんな感じです。
- エントリーモデルですらRyzen 7 3700Xが搭載!
- GTX1650 SUPERは従来のミドルクラスに匹敵!
- 税別11万円台という圧倒的なコスパ
コストを抑えつつ最高のパフォーマンスを得たい!そんなワガママに応えてくれるモデルです。
写真、動画、ゲームといった多目的に使えますし、ほとんどのユーザーにとっては十分すぎる性能をもっています。使っていくうちに物足りなさが出てきたら、自力でカスタマイズができるという点も忘れてはいけません。
DAIV A5の性能(スペック)
CPU: Ryzen 7 3700X
グラフィックス:GeForce GTX1650 SUPER(4GB)
メモリ:16GB
ストレージ:256GB SSD ( SATA)+1TB HDD
電源:500W【80PLUS BRONZE】
サイズ:190×490×490 mm
重量:約10kg
写真 | 動画編集(FHD) | ゲーム |
◎ | ◎ | 〇 |
DAIV A5は、CPUに第3世代Ryzen 7 3700Xを採用しておりクラス以上の処理能力をもたせてあるという印象を受けます。A5というネーミングから、下位CPUのRyzen 5 3600あたりを採用していてもおかしくないと思うのですが、そうしないのは良心的ですね。
逆にDAIV A9でもRyzen 9を採用せずにRyzen 7 3700Xなのも謎です(笑)ちなみに僕の自作PCはRyzen 5 3600ですが、結構良い感じに使えています。Ryzen 5 3600すらCore i7に匹敵するなんて言われるので当然と言えば当然かも。
DAIV A5はグラボもなかなかに魅力的です。GTX1650からGTX1650 SUPERに切り替えが行われたことで、従来のミドルクラス(GTX1060あたり)に匹敵するほどの描画性能をもってしまいました。
ストレージもしっかりSSDとHDDのデュアルストレージになっていますし、初心者から上級者まで満足できそうなパソコンに仕上がっていると思います。
これで税別11万円台というのは、かなりお得感が強いモデルだと思います。普通におすすめ!
Ryzen 7 3700Xの性能
CPUは8コア16スレッドのAMD Ryzen 7 3700Xです。マルチスレッドで効率的に処理を行ってくれますし、一説にはIntelのCore i9に匹敵するとまで言われているハイパフォーマンスなCPUです。このCPUがエントリークラスにのってるのが不思議なくらい?
参考までに、一部のCPUと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
モデル | CPU | スコア |
DAIV A7(カスタム) | Ryzen 9 3900X | 32816 |
DAIV A5 | Ryzen 7 3700X | 22719 |
自作PC | Ryzen 5 3600 | 17808 |
DAIV Z9 | Core i9-9900 | 18879 |
DAIV Z7 | Core i7-9700 | 13806 |
DAIV Z5 | Core i5-9400 | 9546 |
DAIV A5に搭載されているRyzen 7 3700Xをチェックすると、スコアは20,000を超えています。Core i9-9900と比較しても2割程度強い・・・この数値だけで全てを語れる訳ではありませんが、Intel CPUのスコアが20,000に届かないところを見るとそれなりに差はありそうといったところ。
DAIV Z5のCore i5-9400は、ライトなクリエイト用途には十分に使える性能ですが、ちょっと土俵にすら上がれない感じです。同価格(119,800円)に設定されているのがツライというのが本音。
RAW現像でCPUをテスト
スコアで差があるのはわかったけど、肝心なのは実行速度ですよね。そこで実行速度をチェックするためにRAW現像でテストしていきます。RAW現像は、CPUの処理能力に依存しやすい作業なのでどのくらい実力があるのかはっきりとわかります。
テストの内容は、無料現像ソフトの「RawTherapee」を使って100枚のRAWデータの一括変換にかかった時間を計測。(設定はJPEG品質は90%、高画質です)
モデル | CPU | 時間 |
DAIV A7(カスタム) | Ryzen 9 3900X | 3分03秒 |
DAIV A5 | Ryzen 7 3700X | 3分12秒 |
自作PC | Ryzen 5 3600 | 3分59秒 |
DAIV Z7(カスタム) | Core i7-9700K | 3分15秒 |
DAIV Z5 | Core i5-9400 | 4分4秒 |
RAW現像に関しては、DAIV A5のRyzen 7 3700XとCore i7-9700Kの処理時間がほぼ同じになっています。これまでRAW現像はインテルCPUが強いイメージがありましたが、実行速度も遜色ないレベルまできているのがわかります。
ブログやフォトコン用に数枚のデータを作り込むだけなら、どのCPUを選んでも問題はありません。待てば処理は完了するので、コーヒーでも飲んで待てばいいだけの話です。
とは言え、DAIVのようなハイスペックなパソコンを検討する人なら、ある程度まとまった数のデータを処理するはず。となればRyzen 7 3700Xの処理能力は大いに助けになるはずです。
GPU:GeForce GTX1650 SUPERの性能
「DAIV A5」に標準搭載されているGeForce GTX1650 SUPERの参考スコアです。GTX1650からSUPERへと進化したことで20%以上もスコアを伸ばしています。
その結果、従来ミドルクラス帯で人気のGeForce GTX1060に肉薄する形になっています。これくらのグラフィック性能があれば、動画編集やオンラインゲームを快適に動かせるという期待がもてます。ただしVRAMは4GBなので注意したいところです。
FF15のスコアを比較
重量級タイトルでもフルHDなら問題なく動作。GTX1650 SUPERのゲーミング性能は、エントリークラスとは言えそれなりに高いと思って良さそうです。
GPU | フルHD(標準画質) |
GeForce GTX1650 SUPER | 6838(快適) |
GeForce GTX1060(3GB) | 5800(やや快適) |
GeForce GTX1050Ti | 3800(普通) |
RADEON RX570 | 5499(やや快適) |
過去のテスト結果をひろってきたところ、GeForce GTX1060(3GB)よりも15%くらい上のスコアを叩き出したことがわかりました。
ライトユーザーから絶大な支持をうけ「コスパ神」でもあった、GTX1050TiやRADEON RX570を完全に過去のものにしてしまった印象。
DAIV A5は動画編集に使える?
動画編集には無料ソフトのResolveを使ってテスト。マルチコアの利く処理なだけにRyzen CPUの得意とする分野です。
例えばミラーレスカメラで撮影した4K動画(5分)をフルHDに書き出す処理時間は、Ryzen 9 3900Xなら1分程度、Core i7-9700Kでは2分程度となっています。おそらくRyzen 7 3700Xはこの2つの間くらいに着地するはず。
マウスコンピューターさんに教えてもらった「4K動画編集に必要なスペック」の条件にはグラボが届かない感じですが、そうした専門性の高い処理をしないユーザーならRyzen 7 3700X×GTX1650SUPERの組み合わせでも不満は感じないでしょう。
後々、重たい映像データを扱いたいと思った時にはグラボを高性能な物に載せ換えるという手段も残っています。ただし標準構成だと電源が500Wなので、高性能なGPUに載せ換える予定があるなら700W以上にカスタマイズしておくことを推奨します。
Gen4 SSDにカスタマイズがおすすめ!
DAIV A5に採用されているのはSATA SSDです。HDDよりも高速な転送速度を実現しているものの、SDDとしてはもう少し高速なタイプを選んでおきたいとこととです。
第3世代Ryzenが搭載されているパソコンなら、M.2 PCIe Gen4 x4接続のタイプが選べるはずなのでよりサクサクになりますよ!
【転送(読み込み)速度理論値】
- HDD→200MB/s
- SATA SSD→600MB/s
- NVMe Gen3→4000MB/s
- NVMe Gen4→5000MB/s
一般的なSATA SSDだと500~600MB/sですが、Gen4なら5000MB/s近くに到達します。実に10倍近く高速化できるということになります。パソコンの起動、アプリの立ち上げ、ゲームのローディング、動画の書き出しが短縮化できる可能性が高まります。
1TB NVMe SSD ( M.2 PCIe Gen4 x4 接続 )に変更する料金が26,800円とやや高いのがネック・・・それならいっそ「DAIV A7」を選ぶというのも手だと思います。グラボも強くなるので高解像データにも立ち向かえますよ!→DAIV A7のレビュー
DAIV A5の感想や評価
DAIV A5の良いところ
- 上位モデルと変わらない処理能力(CPU)
- 写真、映像、イラスト、ゲームなどに使える
- グラフィック性能も結構高め
- 11万円台とは思えないパフォーマンス!
DAIV A5は、良い意味で価格に似合わないパフォーマンスが魅力的です。ライトユーザーならそのままの構成で使っても良し、こだわり派にもカスタマイズで対応できる懐の深いPCです。
デスクトップの中でも最高クラスにカッコいいデザインですし、ハンドルやキャスターは何気に便利です。あまりの人気で入荷待ち状態が長く続いたのもうなずける気がします。
DAIV A5のいまいちなところ
- 電源容量が500Wしかない
- SSDの性能がもう一歩ほしい
- 大きいから場所をとる
DAIV A5の懸念点としては、電源容量が少ないのでカスタマイズしたときに容量不足に陥りそうなところ。それから標準搭載のSSDの性能がイマイチという点です。
と言っても、スタンダード構成ならそのまま使っても問題ありません。少しのカスタマイズで性能をあげられるので、検討してみてねといったところです。特に電源容量が不足すると故障などにつながりやすくなるので、700Wあたりにしておくと安心できるかもしれません。
DAIV A5をおすすめしたい人
- CPUの処理能力を求めたい人
- グラフィック性能もそこそこ必要な人
- 写真、動画、イラストなどのクリエイター
- コスパの高いパソコンが欲しい人
- AMDが好きだ!という人
- 10万円ちょっとでPCを買いたい人
DAIV A5を紹介してきました。Ryzen CPUを採用したことによりパフォーマンスとコスパを高めたモデルに仕上がっていると感じます。
なんども書いて申し訳ないですが「価格に見合わない性能」と言って差し支えないと思います。ライトユーザーから熟練者まで、様々な層にウケそうなデスクトップPCだと感じます。
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最後までお読みいただきありがとうございました。