DAIV 4Nレビュー!Core i7-1165G7×GTX1650Tiで従来モデルよりも性能UP…ただし注意点も?

マウスコンピューターより「DAIV 4N」をお借りしましたのでレビューします。
14型フルHD(1,920×1,080)、Core i7×GTX1650Tiを搭載し、重量1.43kgという軽さに抑えたモデルです。専用グラフィックを搭載して、このクラスの軽さに仕上がっているのは素晴らしいです。軽いだけでなくパワフルですし、約11時間のバッテリー駆動時間やUSB Power Delivery対応なども使い勝手の良さを後押ししています。
各ベンチマークの結果や、RAW現像、動画編集にかかった時間などものせていますので参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
DAIV 4N(2021)シリーズとは?
マウスコンピューターが展開するブランドは、一般向けの「mouse」、ゲーミングの「G-Tune」、クリエイター向けの「DAIV」とあります。
DAIV 4N(2021)はクリエイター向けのDAIVブランドとしては軽量級のモデルになります。1kgを切るDAIV 4Pが登場してから、最軽量の立場は譲ってしまいましたが、CPU/GPUが従来モデルよりも強化されたことでパフォーマンスはかなり向上しています。
DAIV 4N(2021)の特徴をまとめるとこんな感じです。
- Core i7-1165G7を搭載
- GeForce GTX1650Tiを搭載
- 14型で1.43kgと軽量
- 約11時間のバッテリー持ち
- 写真・動画編集、ゲームにもおすすめ
- 税込¥159,280~
YouTube動画レビュー
動画でも解説していますので参考にしてください。(チャンネル登録してもらえると喜びます!)
DAIV 4N スペック・外観チェック
- OS:Windows 10 Home 64ビット
- CPU:Core i7-1165G7
- GPU:GeForce GTX1650Ti
- メモリ:16GB
- SSD:512GB NVMe SSD
- 液晶:14型フルHD(1920×1080)
- サイズ:323.9×225×19.2mm
- 重量:約1.43kg
- 動作時間:約11時間
こちらはスタンダードモデルで、上位モデルとして32GBメモリ&1TB SSDを搭載した「DAIV 4N-H」が存在します。カスタマイズを行う予定なら、上位モデルを選ぶほうが費用が抑えられると思います。
ブルーが入ったスタイリッシュなカラーリングです。DAIVにはこれまでなかった色なので、これだけでもちょっと欲しくなっちゃいます(笑)
個人的にも所有しているほどDAIV 4Nシリーズのファンです。(黒:所有している従来モデル)
重量が1.13kg→1.43kgと少し重たくなってしまいました。実際に手に持つとちがいがハッキリとわかります。ただし、カバンに入れたりすると差は感じにくくなるので、モバイル性が極端に落ちたという風には感じません。
ACアダプターは432.5gと標準的です。専用グラフィックまで搭載しているので、この重さは仕方がないと思います。
バッテリー駆動時間は約11時間なので、大抵のワークフローはこなせる気がしますが、一日バッテリーだけで使うのは心もとないかな?という感じ。USB Power Deliveryにも対応しているので、保険にモバイルバッテリーでも忍ばせておけば安心です。
キーボード
キーボードは自然な配置ですが、各キーがやや小さめです。キー同士のスペースが広めにとってあるためか、やや打ちにくい印象は受けましたが慣れたら問題ありませんでした。
従来モデルと比較すると、ちょっと個性がなくなった気がします。
14型フルHD(1,920×1,080)モニターを搭載
14型フルHDモニターは、TSC比 約72%(参考値 sRGB比換算 約102%に相当)の広色域な液晶パネルを採用しています。モバイル時の正確な編集作業を可能にしてくれますので、一眼レフやミラーレスで撮影したデータをじっくり堪能できます。
sRGB約100%の色域に対応していれば、WEBコンテンツなどには十分な対応が可能です。
実際に色域を測ってみたところ、sRGB 94%、NTSC 70%、Adobe RGB 73%、P3 76%でした。(環境や測定機材によって違いが生じる可能性があります)
見た目には発色もきれいに見えるので実用的には問題ないのですが、クリエイトモデルとしてはやや物足りない色域という感じですね。忠実な編集作業を行う人は、別途カラーマネージメントディスプレイを用意したほうが良いかもしれませんね。
DAIV 4N インターフェース
DAIV 4Nのインターフェースは、HDMI、Thunderbolt 4、USB3.1、USB3.0、SDカードリーダーなどです。データ管理上よく使うSDカードが読み込めるのはありがたいです。非搭載だと荷物が1つ増えますからね…
Thunderboltに対応しているので、外付けGPUなどに接続して描画性能を高めることもできそうです。軽量さを生かしてモバイルできるだけでなく、自宅ではしっかりと動画編集作業をしたり、ゲームで遊んだりという2つの楽しみ方ができるのはポイントが高いです。
ベンチマークテスト
Core i7-1165G7 性能チェック
4コア/8スレッドの第11世代Core i7-1165G7を採用しています。
参考までに他モデルと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
モデル | CPU | スコア |
DAIV 4N | Core i7-1165G7 | 10605 |
DAIV 4N(従来モデル) | Core i7-10510U | 6960 |
DAIV 5P | Core i7-10750H | 12728 |
DAIV 4Nのような軽量モデルでよく採用されているCore i7-10510Uと比較すると、約52%もスコアが高くなっています。またスタンダードクラスのCore i7-10750Hと比較しても約20%ほどスコアを落とす程度です。
従来モデルに採用されているCore i7-10510Uでは、ビジネスワークなどは問題ないのですが編集作業を行うにはやや物足りなさを感じていました。それがCore i7-1165G7になったことで、スコアも10000を超えますしクリエイト作業にも耐えられる印象です。
処理能力がもっと必要なんだ!と言う方には、Core i7-10750H×GTX1650Tiを搭載したDAIV 5Pあたりもおすすめです。
RAW現像の処理時間を計測
実行速度をテストするためにRAW現像にかかった時間を計測します。
無料ソフトのRawTherapeeで100枚のRAW現像にかかった時間を計測しました。
モデル | CPU | 時間 |
DAIV 4N | Core i7-1165G7 | 4分58秒 |
DAIV 4P | Core i7-1165G7 | 3分37秒 |
DAIV 4N(従来モデル) | Core i7-10510U | 5分58秒 |
DAIV 5P | Core i7-10750H | 4分12秒 |
Core i7-1165G7でRAW現像を行ったところ、Core i7-10510Uよりも1分以上処理が速く完了しています。従来モデルからしっかりと性能をアップしてきたな・・と言いたいところですが、同じCore i7-1165G7を採用したDAIV 4Pに大差をつけられているのが気になります。
今回はパフォーマンスの切り替えなどを特に行わずにテストをしていますので、パフォーマンスモードに切り替えるなどすれば結果はよくなる可能性はあります。とは言え、メーカーがテストを繰り返した上で「DAIV 4Nはコレだ」というチューニングを施してあるはずなので、1つの結果としては受け入れなければいけないと思います。
なぜ同じCPUを採用して、ここまで差がついてしまうのか疑問ですが、GPUやバッテリー消耗の兼ね合いなんかも影響しているのかもしれません。
高速なSSDを標準搭載

※参考値です
ストレージには、高速なSSDが採用されています。実測で2000MB/sを超える読み込み速度が出ていました。パソコンの立ち上げ、ソフトのインストール、データ転送などもサクサク行えます。
GeForce GTX1650Ti ゲーム性能チェック
DAIV 4NにはGeForce GTX1650Tiが搭載されています。従来のMX250と比較すると大幅に描画性能が向上しているはずなので期待がかかります!
写真 | 動画編集 | ゲーム |
◎ | ○ | ○ |
FF15のベンチスコアを比較
重量級タイトルのFF15でゲーミング性能をチェックします。
モデル | 設定 | 結果 |
DAIV 4N (GTX1650Ti) | 1920×1080(標準設定) | 5199(やや快適) |
DAIV 4P (GTX1650Ti) | 1280×720(軽量品質) | 3500(普通) |
DAIV 4N(従来モデル) (MX250) | 1280×720(軽量品質) | 3913(普通) |
DAIV 5P (GTX1650Ti) | 1920×1080(標準設定) | 3773(普通) |
従来モデルだとHD解像度でやっとプレイできていたFF15ですが、現行モデルはフルHDでしっかりと遊べる結果が出ています。やはりMX250→GTX1650Tiに変更になって大幅に描画性能が高まったと言って良さそうです。
これくらいの性能が出ていれば「動かす」という目的なら設定次第で大抵のゲームはこなせるでしょう。ただし負荷がかかるとファンがしっかりと音を出して回るため、ヘッドフォンなどをしてプレイすることをおすすめします。
またゲーム目的として選ぶにはもう一歩という感じですので、ミドルクラス以上のGPUを採用したモデルを選ぶほうが幸せになれると思います。
動画編集性能もチェック
無料ソフトのResolve使って動画編集をテストします。ミラーレスカメラで撮影した5分程度の動画を書きだす時間を計測。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
DAIV 4N | Core i7-1165G7×GTX1650Ti | 7分35秒 |
DAIV 4P | Core i7-1165G7×Iris Xe Graphics | 5分30秒 |
DAIV 5P | Core i7-10750H×GTX1650Ti | 3分20秒 |
Core i7-1165G7×GTX1650Tiなら、Core i7-10750H×GTX1650Tiと良い勝負をしそうな気がしていたのですが、結果としては7分以上もかかってしまいました。さすがに従来モデルよりも早くなっているとは思いますが、正直「どうしてこうなった?」と言わざるを得ない結果です。
フルHD動画編集なら時間をかければ出来るという印象ですが、積極的にやろう!という気持ちが湧いてこないかもしれません。また4K解像度を扱うのは厳しいので、高解像データ処理を目的にするなら避けたほうが無難です。
DAIV 4N 総合パフォーマンス
モデル | DAIV 4P | DAIV 4N |
総合 | 2162 | 2304 |
CPU | 1313 | 1207 |
GPU | 379 | 657 |
RAM | 285 | 264 |
Disk | 185 | 176 |
DAIV 4Nを総合的に見ると、軽さの割にはしっかりと性能を引き出せているように感じます。
やはりCPU性能が低めに出るのが気になりますが、メールやWEB閲覧といった一般的な用途から、ちょっとしたRAW現像や動画編集など多岐にわたって使えるのはメリットでしょう。グラフィックのスコアも高いですし、ちょっと息抜きにゲームをプレイなんて使い方もできます。
DAIV 4Nシリーズの感想や評価
良いところ
- 性能がそこそこ高め!
- そこそこ軽い!
- グラフィック性能もそこそこ強い!
- ライトゲーム、編集作業にもおすすめ!
DAIV 4Nは、全方向にバランスよく高い性能や機能性をもたせてあり、多くの人にとって不満のないパソコンだと思います。ただし器用貧乏な点も否めないので、こだわりの強い部分(例えば軽さを重視したい)といった目的がある人には選ばれにくいモデルかもしれません。
あらゆることを卒無くこなせるパソコンが欲しい人にはおすすめですね。
ちょっとイマイチなところ
- 液晶品質が物足りない
- 理論値に届かないCPU性能
DAIV 4Nは、従来モデルからしっかりとCPUやGPU回りを強化してきており期待をしていました。が、なぜか低めに抑えられているCPU性能があらゆる作業の足かせとなっている印象をもちました。もう少し性能面で伸びてくれると手放しでおすすめできるのですが、この価格帯のパソコンとしてはもう一歩性能が欲しいというのが素直なところです。
またモニターの色域は、公表されているデータに届かないのもクリエイトモデルとしては気になります。DAIVの良さは処理能力の高さと、液晶モニターの品質、コスパの良さだと思うのですが、どれもちょっと足りない印象といったら酷すぎるでしょうか…
DAIV 4Nをおすすめしたい人
- 気軽に使えるノートPCがほしい人
- 1.5kg以下のモデルがほしい人
- モバイル環境での作業が多い人
- 予算が15万円前後の人
マウスコンピューターのDAIV 4N(2021)をレビューしてきました。
従来モデルで課題だった処理能力を向上させようという気概は見えるのですが、実行速度ではいまいちふるわず・・・印象が良かったのはゲーミング性能のテストくらいでしょうか。RAW現像や動画編集などを行うには及第点だと思いますが、潜在能力的にはもう一歩な印象です。
バランスをとろうとするあまりに器用貧乏になってしまい、本来もっているものを生かしきれていない感じがしました。専用グラフィックを搭載した影響もあってか重量も1.43kgと肥大化しています。大きくなってしまうことが許容できるならば、15.6型スタンダードなDAIV 5Pを購入するほうが良いかと思われます。(Core i7-10750H×GTX1650Ti/重量1.53kg)
めずらしく酷評する形になってしまいましたが、薄型軽量でグラフィックを搭載してきた点は評価に値すると思います。趣味で撮りためた写真や動画を使って遊びたいというライトユーザーなら満足できる製品だとも思います。
DAIVには他にも魅力的なパソコンがありますので、あわせて検討してみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。