DAIV S4レビュー!第13世代CPU×GeForce RTX4060搭載のハイパフォーマンス軽量ノートPC

※2023年4月11日より型番が「DAIV S4」(I7G1BCB-A)へと変更になりました。
マウスコンピューターより「DAIV S4」(旧DAIV 4N)をお借りしましたのでレビューします。
14型フルHD(1,920×1,080)モニターを採用したコンパクトなノートPCです。CPU/GPUの組み合わせのバリエーションがいくつかあり、必要とする性能や行う処理、予算から好みのモデルを選べるようになっています。デスクトップ並みの処理能力を持ちながらも軽量に仕上がっているのは魅力的です。バッテリーの駆動時間もそこそこ長く、Thunderbolt 4に対応するなど使い勝手の良さも備えています。まさに外で戦うクリエイターの強い味方と言えるでしょう。
各ベンチマークの結果や、RAW現像、動画編集にかかった時間などものせていますので参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
DAIV S4 シリーズとは?
マウスコンピューターが展開するブランドは、一般向けの「mouse」、ゲーミングの「G-Tune」、クリエイター向けの「DAIV」とあります。
今回紹介する「DAIV S4-I7G60CB-B」は、DAIV S4シリーズの中でも上位モデルに位置します。CPUは最新のCore i7-13700H、GPUはGeForce RTX4060という構成です。記事執筆時点ではマウスコンピューターが販売するノートPCでもハイエンドにあたり、性能を求めているクリエイターにおすすめのモデルとなっています。
他にもCore i7-1260Pを搭載したモデルや、GeForce GTX1650~RTX3050を搭載したモデルを用意するなどラインナップに富んでいるのも特徴と言えるでしょう。過去モデルのベンチマーク結果などものせておきますのであわせてチェックしてください。
DAIV S4の特徴をまとめるとこんな感じです。
- Core i7-13700Hを搭載
- GeForce RTX4060を搭載
- 14型で約1.44~1.78kgと軽量
- 最大約13.5時間のバッテリー持ち
- 写真・動画編集、ゲームにもおすすめ
- デスクトップ並みの処理能力!
ラインナップ
モデル | 構成 | 価格 |
DAIV S4-I7G60CB-B | Core i7-13700H/RTX4060/32GB/1TB | 249,800 |
DAIV S4-I7G50CB-A | Core i7-1260P/RTX3050/16GB/512GB | 169,800 |
DAIV S4-I7G1BCB-A | Core i7-1260P/GTX1650/16GB/512B | 159,800 |
DAIV FX-A5G60 | Ryzen 5 7600X/RTX3060/32GB/1TB | 294,800 |
第12世代CPUとエントリーよりのGPUを搭載したモデルが15~16万円台と買いやすい価格帯を実現しています。ちなみに一番下のモデルはデスクトップですがパフォーマンスは同等クラスに感じたのであわせて紹介させてもらいました。(偶然にも同日にテスト)
デスクトップ並みの処理をノートに…しかもお値段も安いとあれば、いよいよミドルクラスのデスクトップは必要性が薄くなってくるかもしれません…
公式サイトの「期間限定セール」「特別クーポン」「アウトレットモデル」「店舗即納モデル」を狙って少しでもお得に購入するのがおすすめです!
YouTube動画レビュー
▼最新モデル
▼従来モデル
動画でも解説していますので参考にしてください。チャンネル登録も是非お願いします!
DAIV S4 スペック・外観チェック
- OS:Windows 11 Home 64ビット
- CPU:Core i7-13700H
- GPU:GeForce RTX4060
- メモリ:32GB
- SSD:1TB NVMe SSD
- 液晶:14型フルHD(1920×1080)
- サイズ:323.9×225×22mm
- 重量:約1.78kg
- 動作時間:約13.5時間
CPUが第13世代へ変更されたことにより処理能力が大幅にアップ、あわせてGPUがGTX1650Ti→RTX3050→RTX4060へと描画性能も期待がもてます。重さは1.44→1.78kgと大幅にアップしていますが、性能面を見たら妥協できるでしょう。ちなみに駆動時間も約8時間から約13.5時間へ伸びています!
従来モデルはDAIVのノートパソコンの中では中途半端な立ち位置になっていましたが、今回ははっきりと性能面で選べるようなコンセプトになっているのも嬉しいです。
ブルーを採用したカラーリングで好き嫌いは分かれるかもしれません。市場を見てもあまりない色なので個人的にはこれだけでもちょっと欲しくなっちゃいます(笑)
従来モデル(右 DAIV 4N)も所有しているほど、このシリーズのファンだったりもします。軽いのにGPUを搭載しているのが気に入っていたのですが、最新モデルはデスクトップ並みの処理能力でますます魅力に磨きがかかりました。
ACアダプターもよりコンパクトになっており持ち運びもしやすいと感じました。バッテリー駆動時間は約13.5時間と長く、この手のモデルにしては長寿命と言えるでしょう。大抵のワークフローはこなせる気がします。USB Power Deliveryにも対応しているのもグッド!
キーボード
キーボードは自然な配置ですが、各キーがやや小さめです。キー同士のスペースが広めにとってあるためか、個人的に最初は少しタイピングしにくい印象は受けましたが…慣れたら大丈夫です。
14型フルHD(1,920×1,080)モニターを搭載
14型フルHDモニターは、sRGB 100%の広色域をカバーします。出荷時にカラーキャリブレーションを行ってくれるため、モバイル環境でも正確な編集作業を可能にしてくれます。一眼レフやミラーレスで撮影したデータをその場で編集するなどといった楽しみも提供してくれます。
ちなみにsRGB 100%の色域に対応していればWEBコンテンツなどでは十分と言われています。
実際に色域を測ってみたところ、sRGB 98%、NTSC 69%、Adobe RGB 74%、P3 74%でした。(環境や測定機材によって違いが生じる可能性があります)
以前のモデルだとsRGB 94%ほどだったのでさり気なく進化しているのは好印象。より正確な色再現で編集作業が行えるようになりました。プロクオリティーの編集作業を行う人は、別途カラーマネージメントディスプレイを用意したほうが良いかもしれませんね。
DAIV S4 インターフェース
DAIV S4のインターフェースは、HDMI、Thunderbolt 4、USB3.1、USB3.0、microSDカードリーダーなどです。カメラをよく扱う人間としてはmicroでもSDカードが読み込めるのはありがたいです。非搭載だと荷物が1つ増えますからね。
Thunderboltに対応しているので、外付けGPUなどに接続して描画性能を高めることもできそうです。軽量さを生かしてモバイルできるだけでなく、自宅ではしっかりと動画編集作業をしたり、ゲームで遊んだりという2つの楽しみ方ができるのはポイントが高いです。
ベンチマークテスト
Core i7-13700H 性能チェック
CPUは第13世代Core i7-13700Hを採用しています。これまでこのシリーズは軽量さをウリにしていたので、Core i7-1260OやCore i7-1165G7あたりのCPUが採用されていました。ここにきていきなり超がつくほどのCPUを搭載してきたのには驚きましたね…一気にDAIVのノートパソコンの中で最も高性能になってしまいました…
参考までに他モデルと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
モデル | CPU | スコア |
DAIV S4 | Core i7-13700H | 29810 |
DAIV S4 | Core i7-1260P | 17203 |
DAIV 4N(2021) | Core i7-1165G7 | 10605 |
DAIV 4N(2020) | Core i7-10510U | 6960 |
DAIV FX-A5G60 | Ryzen 5 7600X | 28705 |
軽量モデルによく採用されているCore i7-1260Pと比較すると、約73%もスコアが高くなっています。デスクトップCPUのRyzen 5 7600Xすら凌駕するスコアというのはビックリです。
従来モデルに採用されていたCore i7-1260PやCore i7-1165G7では、編集作業を行うにはやや物足りなさを感じるシーンもありました。それがCore i7-13700Hになったことで持ち運べるデスクトップパソコンになってしまった…これは積極的にクリエイト作業をしたくなるほどの性能を手に入れたと感じます。
高解像モニターで効率よく処理がしたいんだ!と言う方には、DAIV 6Pシリーズもおすすめです。
RAW現像の処理時間を計測
実行速度をテストするために、無料ソフトのRawTherapeeで100枚のRAW現像にかかった時間を計測します。
モデル | CPU | 時間 |
DAIV S4 | Core i7-13700H | 2分29秒 |
DAIV S4 | Core i7-1260P | 3分59秒 |
DAIV 4N(2021) | Core i7-1165G7 | 4分58秒 |
DAIV 4N(2020) | Core i7-10510U | 5分58秒 |
DAIV FX-A5G60 | Ryzen 5 7600X | 2分06秒 |
100枚の現像処理にかかった時間は2分30秒ほどです。これまでのモデルと比較すると圧倒的に速い処理時間です。忙しいプロカメラマンの作業負担を軽くしてくれそうな気がします。
デスクトップのRyzen 5 7600Xに実際は差をつけられていますが、その差は23秒と圧倒的というほどでもありません。こんな小さいボディーなのにこのパワフルさ…最初に想像できる人はまずいないでしょう。
高速なSSDを標準搭載
ストレージには、高速なSSDが採用されています。実測で3700MB/sを超える読み込み速度が出ていました。パソコンの立ち上げ、ソフトのインストール、データ転送などもサクサク行えます。
GeForce RTX4060 ゲーム性能チェック
DAIV S4にはGeForce GTX4060が搭載されています。
FF15のベンチスコアを比較
RTX3050
RTX4060
モデル | 設定 | 結果 |
DAIV S4-I7G60CB-B (RTX4060) | 1920×1080(標準設定) | 12910(非常に快適) |
3840×2160(標準品質) | 4457(普通) | |
DAIV S4-I7G50CB-A (RTX3050) | 1920×1080(標準設定) | 7131(普通) |
DAIV S4-I7G1BCB-A (GTX1650) | 1920×1080(標準設定) | 5119(やや快適) |
DAIV FX-A5G60 (RTX3060) | 1920×1080(標準設定) | 11855(とても快適) |
3840×2160(標準品質) | 4344(普通) |
GeForce RTX4060はフルHDなら非常に快適、4K解像度で普通という結果が得られました。これはデスクトップのGeForce RTX3060並みのスコアです。
従来のGTX1650~RTX3050は重量級タイトルを遊ぶのには物足りなさもありました。そういう意味では「ゲームは遊べたらおまけ」だったものが「本腰を入れて遊べる」レベルに進化しています。ここ最近の中でもちょっと衝撃が大きすぎますね…ほとんどのゲームは問題なく快適に遊べるはずです。
動画編集性能もチェック
無料ソフトのResolve使って動画編集をテストします。ミラーレスカメラで撮影した5分程度の動画を書きだす時間を計測。
モデル | パーツ構成 | 時間 |
DAIV S4 | Core i7-13700H×RTX4060 | 1分24秒 |
DAIV S4 | Core i7-1260P×GTX1650 | 4分09秒 |
DAIV 4N(2021) | Core i7-1165G7×GTX1650Ti | 7分35秒 |
DAIV 4P(2020) | Core i7-1165G7×Iris Xe Graphics | 5分30秒 |
DAIV FX-A5G60 | Ryzen 5 7600X×RTX3060 | 1分20秒 |
Core i7-1260P×GTX1650との組み合わせの従来モデルだとフルHDクラスから抜けられない面もありましたが、最新モデルは高解像データにも耐えられるパフォーマンスです。かなり高度な編集作業でも耐えられるでしょう。
これまでのテストを通してみても、Ryzen 5 7600X×RTX3060あたりのミドルクラスならDAIV S4でいいじゃん…と思ってしまう結果です。それほどまでに強力すぎる破壊力がありますね!性能重視の人は深く考えずにポチって良いレベルかもしれません(笑)
DAIV S4シリーズ 感想/評価
メリット | デメリット |
・デスクトップ並みの処理能力! ・そこそこ軽い ・クリエイティブ作業も快適に行える ・高解像データ編集にも使える ・バッテリーもちも長い | ・SSDの速度が物足りない ・約25万円はややハードルが高い ・ファン音はそれなりにする |
DAIV S4はミドルクラスのデスクトップPCを食ってしまいかねない処理能力をもっています。その高い処理能力を生かして、モバイル環境で本格的な作業が行えるのは強みでしょう。しかも14型で軽量ですから持ち歩きの負担も小さい、バッテリー駆動時間も長いとバランスの良さも光ります。
一方でお値段が高くなってしまっているので購入者にはそれなりの覚悟を求められるかもしれません。公式サイトの「期間限定セール」「特別クーポン」「アウトレットモデル」「店舗即納モデル」を上手く活用してお得に購入するのがおすすめです!
DAIV S4をおすすめしたい人
マウスコンピューターのDAIV S4をレビューしてきました。
デスクトップに負けない処理能力に偽りはなく、出先で本気の作業ができるのは強みです。全方位に強いのであらゆるクリエイターさんにおすすめできるモデルに仕上がっていると感じます!リフレッシュレートは普通だけどゲーム目的で購入するのもありかもしれません。
DAIVには他にも、1kg切りの超軽量モデル「DAIV 4P」、16インチ高品質モニター搭載の「DAIV 6Pシリーズ」とバリエーション豊かです。どのモデルもそれぞれ魅力がありますので合わせて検討してくださいね!