ドスパラ「raytrek ZF」レビュー!高性能×静かなクリエイト向けデスクトップPC

ドスパラのクリエイト向けパソコン「raytrek ZF」をお借りしたのでレビューします。
Core i9-10900K×RTX3070搭載で、高解像データに立ち向かえるクリエイトPC!税別19万円台からというのはややハードルがお高いですが、そのパフォーマンスには目を見張るものがあります。さらに静音性にも優れており「作業に集中できる」という点ではクリエイターの制作活動にも大きく貢献するはずです。
ベンチマークソフトを使ってのパフォーマンスチェックや、使い心地などをレビューしていきますので参考にしてもらえると嬉しいです。
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- RAW現像におすすめのパソコンスペックは?
目次
ドスパラ raytrek ZF レビュー
ドスパラのクリエイト向けパソコン「raytrek ZF」です。
Core i9-10900K×RTX3070の組み合わせで、重量級データも快適に処理が行えるパフォーマンス!メモリも32GBと多いので、マルチタスクや大量のRAW現像なんかも安心して行えます。価格は20万円に迫るのでハードルは高めかもしれませんが、性能を考えると十二分に納得できるはずです。
raytrek ZFの特徴をまとめるとこんな感じです。
- CPUにCore i9-10900K
- RTX3070搭載で4K解像度の処理も快適
- 32GBメモリを標準搭載
- 高速かつ大容量の1TB NVMe SSD
- 写真編集、動画編集も快適なパフォーマンス
- パフォーマンス重視の方におすすめ!
raytrek ZFの性能(スペック)
- OS:Windows 10 Home 64ビット
- CPU:Core i9-10900K
- GPU:GeForce RTX3070
- メモリ:32GB
- SSD:1TB NVMe SSD
- 電源:850W 静音電源 (80PLUS GOLD)
- 重量:約13㎏
- サイズ:207(幅)×509(奥行き)×440(高さ) mm
とにかくパフォーマンスが高いので、ここ数年でパソコンの入れ替えを行っていない人なら進化具合に驚くことは間違いなし!高負荷が前提のクリエイターにとっても即戦力として活躍が期待できます。
また2.5/3.5インチシャドウベイを8基搭載しているので、カスタマイズすれば大量のデータ保存も可能。さらに80PLUS GOLD 850W 静音電源は余力があるので、更なる高みを目指すこともできます。フロント部にSDカードリーダーがあるのも地味に助かります。
翌日出荷にも対応してくれるため、急ぎでパソコンが必要になった人にも助け舟となってくれます。
本体サイズは207(幅)×509(奥行き)×440(高さ) mmです。カラーはブラックでシンプルなデザインですが、ファンを多数追加可能だったり作業性の面でも不満はありません。
個人的に気に入ったのが「とても静か」だということ。ゲームのベンチや動画編集中(高負荷時)でも気にならないくらいです。作業に没頭したいクリエイターからすると、これほどありがたいことはないはずです。
raytrek ZF インターフェース
raytrek ZFのインターフェースは、前面にUSB3.0 を個、背面にUSB2.0 x2/USB3.2 Gen2 x2 (Type A x2)/ USB3.2 Gen1 x2 (Type A x2)となっています。
最近はType-CやThunderboltを採用した周辺デバイスもある中で、こうした規格に対応していないのはクリエイトPCとしてはやや物足りないポイントでしょうか・・・カスタマイズ画面の拡張スロットの項目で「ASUS ThunderboltEX 3-TR」が選べるので、必要に応じて選択するようにしましょう。
raytrek ZF ベンチマークテスト結果
Core i9-10900Kの性能
10コア20スレッドの第10世代Core i9-10900Kを採用しています。
参考までに他モデルと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
モデル | CPU | スコア |
raytrek ZF | Core i9-10900K | 24086 |
G-Tune XM-Z | Core i7-10700K | 19715 |
DAIV Z9 | Core i9-9900 | 18879 |
DAIV A9 | Ryzen 7 3700X | 22719 |
DAIV A7(カスタム) | Ryzen 9 3900X | 32843 |
現行のインテルCPUとしてはトップクラスの性能を誇り、写真、音楽、イラスト、漫画、動画、ゲームなど幅広いジャンルで活躍が期待できます。Core i7-10700Kと比較しても約22%も高いスコアです。
スコア差で全てが決まるわけでもありませんが、Ryzen CPUと比較するとやや遅れをとってるような印象を受けてしまいます・・この後、実行速度をチェックしていきましょう。
raytrek ZF RAW現像チェック
実行速度をチェックするためにRAW現像にかかった時間を計測します。
テストの内容は、無料現像ソフトの「RawTherapee」を使って100枚のRAWデータの一括変換にかかった時間を計測。(設定はJPEG品質は90%、高画質です)
モデル | CPU | 時間 |
DAIV A7(カスタム) | Ryzen 9 3900X | 3分03秒 |
DAIV A5 | Ryzen 7 3700X | 3分12秒 |
raytrek ZF | Core i9-10900K | 2分59秒 |
G-Tune XM-Z | Core i7-10700K | 2分55秒 |
DAIV Z7 | Core i7-10700 | 4分47秒 |
DAIV Z9 | Core i9-9900K | 3分20秒 |
RAW現像の処理時間にいたっては、ほぼ団子状態になっています。Core i9-10900Kはきっちりと存在感を示し、Ryzen CPUに決して劣りません。それよりも気になったのは、Core i7-10700KのG-Tune XM-Zに負けている点でしょうか?
ほとんど誤差範囲とはいえ、上位CPUが下位CPUに並ばれるというのはどうでしょう。しかもG-Tune XM-Zはメモリも16GBなんですよね。さらに言うとCore i7-10700の無印(Kなし)は時間がかかり過ぎています。
この結果を鵜呑みにするのは危ないかもしれませんが、RAW現像目的なら「無理をしてまでCore i9を選択する価値はない」とも受け取れます。コスパ次第ですがCore i7-10700K、Ryzen 7 or 9あたりを検討しても良いかもしれません。
raytrek ZF ゲーム性能チェック
raytrek ZFの描画性能(RTX3070の性能)をチェックしていきます。
FF15のゲームスコア
モデル(GPU) | 設定 | スコア |
G -Tune EP-Z (RTX3080) | 1920×1080(標準品質) | 18538(非常に快適) |
3840×2160(標準品質) | 8564(快適) | |
raytrek ZF (RTX3070) | 1920×1080(標準品質) | 16658(非常に快適) |
3840×2160(標準品質) | 6646(快適) | |
DAIV Z9 (RTX2080S) | 3840×2160(標準品質) | 5580(やや快適) |
重量級タイトルのFF15でRTX3070をチェックしたところ、4K解像度で快適を得られる結果となりました。旧世代とは言え、上位GPUに位置付けられていたRTX2080SUPERよりも高いスコアというのは嬉しいですね。
さらに高設定の4K解像度でも「やや快適」と言う結果を得られており、リッチなゲーミング環境構築を目指すことができます。
raytrek ZF 動画編集チェック
動画編集能力をテストするために無料ソフトのResolveを使いました。ミラーレスカメラで撮影した4Kデータを使って簡単な動画を作成→レンダリング(FHD)の時間を測定しています。
モデル | 構成 | 処理時間 |
raytrek ZF | Core i9-10900K×RTX3070 | 1分15秒 |
G-Tune XM-Z | Core i7-10700K×RTX3070 | 1分35秒 |
DAIV Z9 | Core i7-10700K×RTX2080S | 1分34秒 |
DAIV Z7 | Core i7-9700K×RTX2060S | 2分00秒 |
RAW現像ではパッとしない印象だったCore i9-10900Kですが、動画編集においては強みを見せました。Core i7-10700Kよりも約20秒ほど速く処理を完了しています。
もちろん4K動画編集でもストレスを感じるシーンはなく、スムーズに書き出しまで行うことができました。高解像度になるほど差は大きくなってくるので、動画編集目的でしたらraytrek ZFを選択する価値は大いにあります。
raytrek ZF SSD転送速度チェック
実測で読込速度 3400MB/s,書込速度 3000MB/sのNVMe SSDを搭載。この規格ではトップクラスの性能です。パソコンの立ち上げも一瞬ですし、キビキビとした動作は見ていて本当に気持ちがいいです。
raytrek ZFのトータルスコア(総合力)
続いては、CPU、GPU、メモリ(RAM)、ストレージのパフォーマンスチェックのために「Novabench」でテストします。
モデル | raytrek ZF | G-Tune XM-Z |
総合 | 3968 | 3459 |
CPU | 2108 | 1779 |
GPU | 1250 | 1216 |
RAM | 323 | 282 |
Disk | 287 | 182 |
raytrek ZFは、スコア4000に迫る圧倒的なパフォーマンスです。RAW現像テストで並ばれたG-Tune XM-Zよりも全体的に高いスコアをマーク。
記事執筆時点の価格を比較すると、raytrek ZFは196,980円、G-Tune XM-Zは219,800円です。その差は22,820円なので決して無視はできません。両社のサービスや思想に違いがあるとは言え、raytrek ZFのコストパフォーマンスの高さは目を見張るものがあります。
raytrek ZFの感想や評価
良いところ
- パフォーマンスが高い!
- 性能の割に良心的な値段設定!
- クリエイトからゲームまで万能にこなせる!
- 静かで作業に没頭できる!
- コストパフォーマンスが圧倒的に良い!
最新パーツを潤沢に使ったraytrek ZF。その性能の高さは言うまでもありませんが、比較をするとコストパフォーマンス的にも優れていることがわかりました。
拡張性やメンテナンス性も申し分ありませんし、とにかく静かに作業ができたのが印象深いです。このパソコンが税別で20万円を切るのはお得だと思います。
ちょっとイマイチなところ
- 性能を持て余すかも
- インターフェースが充実してない
- サイズが大きい
コスパだけで選ぶなら有力候補であることは間違いありませんが、いくつか気になった点もありました。
まず写真編集など、最近のパソコンにとっては比較的軽い作業だと恩恵が少ないと言うこと。そういう意味では性能を持て余す人は多いかもしれません。
それにインターフェースが充実していない点は、クリエイトPCとしては物足りなさを感じます。あとはなんといってもサイズが大きいので設置スペースに余裕がないと厳しいですね。
raytrek ZF をおすすめしたい人
ドスパラの「raytrek ZF」をレビューしてきました。
どんな作業をしていても安心して眺めていられるほど高いパフォーマンス!高負荷時でも静かなのが魅力的なPCだと感じました。価格的なメリットも高く、税別20万円以下でこの構成はかなりお得だと思います。数年は安定して使えるはずですし、長い目で見るとコスト回収は十分できるはず。
拡張性も高いので「さらに上を目指せる」と言う意味でも価値があり、高品質な電源や大容量メモリなどがジワジワ効いてくる気がします。ぜひ検討の1台に加えてみてください。
参考
最後までお読みいただきありがとうございました。