DAIV X7をレビュー!Core i9-10900Xを搭載したクリエイター向けデスクトップPC

メーカー様より「DAIV X7」をお借りしましたのでご紹介します。
DAIVのデスクトップの中でも比較的新しいモデルで、第10世代Core i9-10900Xを搭載してパフォーマンスを高めています。RAW現像は快適そのもので、動画編集やイラストなどのクリエイティブ作業にも最適です。
やや気になるポイントもいくつか発見しましたので合わせてレビューしていきたいと思います!
目次
DAIV X7の特徴とスペック
マウスコンピューターが展開するクリエイターモデルが「DAIV」です。
負荷のかかる作業にも耐えられるパフォーマンスを前提に作られています。また利便性やメンテナンス性、冷却性能という面でもテストを重ねており「安心して使えるパソコン」というのが特徴です。
DAIV X7の特徴をまとめるとこんな感じです。
- Core i9-10900Xを搭載!
- GTX1650 SUPER搭載!
- RAW現像に最適なクリエイターPC
最新世代Core i9の処理能力は高く、日常的なクリエイティブワークの時間短縮に大きく貢献してくれるPCです。
GPUがGTX1650SUPERとやや平凡なので、どちらかというと写真やイラスト、漫画といった静止画中心の作業に向いている気がします。今回はより絵描画性能を高めるためにGTX1660(無印)にカスタマイズしてテストを行っています。
DAIV X7の性能(スペック)
CPU: Core i9-10900K
グラフィックス:GeForce GTX1650 SUPER→GTX1660へ変更
メモリ:32GB
ストレージ:256GB NVMe SSD
電源:700W【80PLUS BRONZE】
サイズ:190×490×490 mm
重量:約10.9kg
写真 | 動画編集 | ゲーム |
◎ | ◯ | ◯ |
DAIV X7はメモリ容量も多く、RAW現像やDTMなどに最適化されたデスクトップパソコンです。実際に使ってみるとCore i9-10900Xのおかげでサクサクと処理がすすんでいくのは見ているだけでも楽しかったです。
スタンダード構成のGPUをカスタマイズしてやれば、動画編集や最新3DゲームやVRなど幅広いシーンで活躍してくれることは間違いないでしょう。とは言え、現状のカスタマイズではGeForce GTX 1660が選べるだけです。この辺は気になったポイントの1つで、今後変化が欲しいところです。
第10世代Core i9+ミドルハイ以上のGPUが必要であれば、上位モデルのDAIV X9を選択するしかありません。
Core i9-10900Xの性能
10コア/20スレッドの第10世代Core i9-10900Xを採用しており処理能力に関しては感動レベルです!
参考までに他モデルと比較した例をご覧ください。(PASSMARKの公開スコアを掲載)
モデル | CPU | スコア |
DAIV X7 | Core i9-10900X | 23162 |
DAIV Z9 | Core i9-9900 | 18879 |
DAIV Z7 | Core i7-9700 | 13806 |
DAIV A9 | Ryzen 7 3700X | 22719 |
DAIV A9(カスタム) | Ryzen 9 3900X | 32843 |
DAIV X7に搭載されているCore i9-10900Xは、Core i9-9900と比較すると22%ほどスコアが伸びています!
テスト前のには「10%くらいかな?」と予想していたのですが、予想以上の伸びは素直に嬉しいですね。RAW現像や動画編集を試していても体感的に「速くなってる!」とわかるくらいすごい・・・
最近はRyzenの勢いがすごいのでCore i9-10900Xも多少かすむ感じは否めませんが、スコアだけで語れるものでもありません。インテルに最適化されているアプリも多いでしょうし、クリエイティブ作業においてはまだまだ有利なシーンもあるのかなと感じています。実際にこのあとRAW現像の時間なんかも紹介します。
RAW現像でCPUをテスト
スコア差ではかなりRyzenに差をあけられてしまいましたが、実行速度はどれくらいなのか?RAW現像でテストしていきます。
テストの内容は、無料現像ソフトの「RawTherapee」を使って100枚のRAWデータの一括変換にかかった時間を計測。(設定はJPEG品質は90%、高画質です)
モデル | CPU | 時間 |
DAIV A7(カスタム) | Ryzen 9 3900X | 3分03秒 |
DAIV A5 | Ryzen 7 3700X | 3分12秒 |
DAIV X7 | Core i9-10900X | 3分00秒 |
DAIV Z9(別モデル) | Core i9-9900K | 3分20秒 |
DAIV Z7 | Core i7-9700K | 3分15秒 |
Core i9-10900X(DAIV X7)が3分ジャストで最も短い時間で処理が完了しました。
Ryzen搭載モデルになんとか勝利した・・・と思いたいのですがRyzen搭載モデルはメモリ容量が16GBです。条件を揃えてやるとRyzen 7 3700Xと同等、Ryzen 9 3900Xは逆転という結果もあり得るでしょう。
個人的にどのCPUを選んでも30秒以内の差なので「目くじらたてなくてもいいかな」とは思いますが・・・大量の作業ともなれば話は別です。インテルの信頼性とか安定性を求める人にCore i9-10900Xがおすすめですね。
僕はコスパでRyzenを選んでいますが、Core i9-10900Xは素直にアリだなと思いました。これだけの性能で20万円半ばで購入できるなら頑張ってみる価値はあるかもしれない。
GPU:GeForce GTX1660の性能
DAIV X7に標準搭載されているのはGeForce GTX1650 SUPERですが、このままだとちょっとした要求に応えてくれない可能性があるためGTX1660に変更しました。
こちらが参考スコアです。
DAIV X7のスタンダード構成(GeForce GTX1650 SUPER)でも従来のGTX1060に匹敵する性能を備えているため、RAW現像やちょっとした動画編集には十分使えます。
ただし最新ゲームは重量化していく傾向にありますし、ある程度まとまった金額を出すのならもう少し上のGPUを狙っても良いのかなと感じます。標準構成だとちょっとCPUによりすぎかなという印象もなくもない。
おそらく今後はGTX1660SUPERあたりに切り替わっていくのでしょうが、現状でGTX1660しかカスタマイズで選べないのは自由度が低いので改善して欲しいところですね。
FF15のスコアを比較
GPU | フルHD(標準画質) |
GeForce GTX1660 | 7435(快適) |
GeForce GTX1650 SUPER | 6838(快適) |
GeForce GTX1060(3GB) | 5800(やや快適) |
GeForce GTX1050Ti | 3800(普通) |
GeForce GTX1660なら大抵のゲームを動かせるくらいの性能があります。GTX1650SUPERで不安を覚えるならカスタマイズしてしまうほうが良い結果を得られやすいのは間違いありません。
過去にエントリークラスで「コスパ抜群!」と人気があったGTX1050Tiですが、スコア差が倍くらいになってきているを見ると「そろそろ切り替わりの時期かな」という気がします。
DAIV X7は動画編集に使える?
過去にマウスコンピューターさんに取材して教えてもらった「4K動画編集に必要なスペック」という条件は満たしませんので、高度な動画編集に使うのはちょっと難しい印象をうけます。
動画編集能力をテストするために無料ソフトのResolveを使い、ミラーレスカメラで撮影した4Kデータを使って簡単な動画を作成→レンダリングの時間を測定しています。
モデル | CPU | タイム |
DAIV X7 | Core i9-10900X | 1分30秒 |
DAIV A7(カスタム) | Ryzen 9 3900X | 1分00秒 |
5分程度の動画を書き出す(4K→FHD)のに1分30秒ほどで処理が完了!速いのは速いのですが、残念ながらRyzen 9には敵いませんでした。
動画性能を求めるならGPU性能を高めたほうがバランスがよくなる傾向にもあるので、Ryzen×RX5700のDAIV A7あたりを選ぶほうが良いかもしれません。
DAIV X7の動画編集能力はフルHD環境で快適性を与えてくれるレベルです。
ストレージ容量不足に陥る危険が!
DAIV X7のメインストレージは256GB NVMe対応のみです。アプリを入れるだけで枯渇する容量なので、せめてHDDだけでも追加したいところです。
僕なら256GB→512GB以上、2TB以上のHDDを最低でも追加すると思います。たぶんこれでもクリエイターには足りないでしょうが・・・
【転送(読み込み)速度理論値】
- HDD→200MB/s
- SATA SSD→600MB/s
- 一般的なNVMe SSD→2000MB/s
- 高性能なNVMe SSD→3500MB/s
かなり高価なマシンなので、より速度にこだわってみるのも面白そうですよね!
DAIV X7の感想や評価
DAIV X7の良いところ
- CPU処理能力が高くて安定している
- 写真、イラスト、漫画などに最適
- グラフィック性能もそこそこ高い
DAIV X7はCPU性能が高く、GPUはそこそこなので映像というよりは静止画を中心としたクリエイターにおすすめのモデルだと思います。
もちろん基本的な性能が高いので、GPUを自力で載せ替えたりするのも面白いでしょう。そういったカスタマイズができるのもデスクトップならではの良さですし、こまめにパーツを入れ替えることで長く使えるモデルだと思いますね。
DAIV X7のいまいちなところ
- GPU性能がそこそこ止まり
- SSD容量が圧倒的に足りない
DAIV X7はGPU性能がそこそこ止まりというのが残念!もう少しGPUを高められたら頭でっかちにならなくてバランスも良いと思います・・・ゲームや動画といった用途に対応できますしね。
とは言え、シーンによってはGPU性能がそこまで必要ないことも多々あるので落とし所としては1つありなのかも?それよりもSSD容量が少なすぎるのが気になりますね。
DAIV X7をおすすめしたい人
- Core i9-10900Xの処理能力が必要な人
- グラフィック性能はそこそこで良い人
- 写真、イラストなど静止画中心のクリエイター
- インテル入っているPCが必要という人
- 予算よりパフォーマンスを重視したい人
DAIV X7を紹介してきました。
第10世代Core i9-10900Xの性能は素晴らしいものがありましたが、ややRyzen勢に押されている印象はあります。日常的作業に信頼性や安定性を求めるなら選択肢として「あり」ですが、どことなくパーツ構成のバランスがまとまっていないのも気になります。
どちらかと言えば、予算度外視で性能を突き詰めたいモデルでもあるので上位モデルの「DAIV X9」を視野に入れるのも良いのかもしれません。色々カスタマイズを加えるなら、最初から上位モデルを選ぶほうがコストが抑えられるでしょう。
マウスコンピューターは、安心の国内生産に加えて、サポート面でも定評があるので安心ですよ→【独自取材】マウスコンピューターのカスタマーサポートセンターへ潜入!
最後までお読みいただきありがとうございました。